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木造園舎見学ツアー

木造園舎見学ツアー2017/10/26

園舎見学ツアー国内ツアー

2017年10月26日(木)に木造園舎見学ツアーを開催しました。

木造園舎に関心を持たれている幼稚園・保育園関係者の皆様のご参考になればと思い企画しました。

今回のツアーでは、埼玉県内にある2園の木造園舎を見学しました。

まず最初に見学したのは熊谷市の「社会福祉法人わらしべ会 わらしべの里共同保育所」様。

 

 

見学わらしべの里共同保育所01

 

最初に園舎内を見学しました。

園内の案内をしてくれたのは、社会福祉法人わらしべ会の長谷川理事長と

設計を担当されたアトリエフルカワ一級建築士事務所の古川様です。

高い天井でとても広々とした印象を受けます。

中庭を囲むように園舎があり、たくさんの陽が入るように設計されていました。 

 

参加者の方から保育室中央の柱を指して「この柱は邪魔にならないのですか?」という質問が出ました。

古川様は「邪魔にはなりません。こども達はこの柱を中心に走り回ったり、柱に寄り掛かって座ったりしています。こども達が自由に使い方を探しています。」と答えます。こども達にとって、この柱は全く気にならず、むしろ柱を活用した使い方を考えることによって活動の幅が広がっているようです。

 

また、「この保育園はトイレが少ないんです。」と長谷川理事長。

「時間割でトイレの時間を決めないことで子どもを拘束せず、自由にトイレに行くことができるからです。こども達はトイレに行くと、隣の個室に入っている子とおしゃべりを始めます。「何して遊ぶ?」「今日のお弁当にはこれが入っていた」など。トイレがこども達のコミュニケーションの場になっているんです。」

 

見学わらしべの里共同保育所02

 

わらしべの里共同保育所03 わらしべの里共同保育所04

 

見学わらしべの里共同保育所05 見学わらしべの里共同保育所06

 

一通り見学が終わった後は学童室に集まり、

長谷川理事長と古川様から園舎設計時にこだわった所や想いをお話頂きました。

フローリングの材種にもこだわったという長谷川理事長。

整体師・心理カウンセラーとして活動する長谷川理事長らしく、副交感神経を整える杉のフローリングにしました。 家庭的な雰囲気の中こども達が過ごせること、また木に囲まれた環境だとこども達の発達に良い影響を与えるので、木造にしました。

また、古川様から「理事長から、保育園ではなく「こども達ための木の家を作ってください」と依頼されました。」と、設計当時のことを話されました。保育士と設計、保護者のみならず、卒園児の保護者も交えプロジェクトチームを作り、「どんな園が良いか?」を皆で考えて出来上がった園舎です。

 

懇親会を兼ねたランチをし、午後は北本市に移動。

「学校法人若山学園 緑の詩保育園」様を見学しました。

こちらでは、最初に会議室にて学校法人若山学園 若山理事長からお話しをいただき、その後見学スタート。

副主任の荒井先生と設計を担当された環境デザイン研究所の宇佐美様にご案内いただきました。

こちらの保育園の一番の特徴は吹抜け部分をぐるりと一周できる回廊です。

ダイナミックな大空間に参加者の皆さんは興味深々な様子。

「保育室側からも階段を上ってドアを開けると2階の回廊に出れます。」と荒井先生。

2階の回廊はアスレチックのようで、こども達の遊びの場です。

もちろん安全面にも考慮して、回廊に上がれるのは4才以上。

また、天気がいい日はなるべく外で遊んで欲しいので、雨の日だけとルールがあります。

 

見学緑の詩保育園01

 

緑の詩保育園02 緑の詩保育園03

 

緑の詩保育園04 緑の詩保育園05

 

会議室に戻ってきてからは、わらしべの里共同保育所様と同様に

若山理事長と宇佐美様より園舎設計時にこだわった所や想いをお話頂きました。

「10年、20年経ってから味が出る建物にしたい。」という想いがあったという若山理事長。

朽ちたところに味が出るのは木が一番適していると考え、木造を選んだそうです。

また、近年は壁紙や床などビニールに囲まれた環境が増えているので、せめて保育園にいる間だけでも木に触れてほしいとの想いがあったと話されました。

宇佐美様からは一番の特徴である2階の回廊についてお話頂きました。このような「回遊性」がある設計は、環境デザイン研究所の得意分野です。こどもも大人も楽しめる「遊環構造」が基本的な考えなのだそうです。回廊からどの部屋にでも行くことができ、グルグルと走りまわることもできます。こどもだけでなく大人でもワクワクしてしまうような遊び心が感じられます。この回遊性がこどもの活性化に繋がるそうです。

また、「どこの設計事務所でも構わないので、今後木造がもっと増えてほしい。」と、木造に対する想いを話されていました。 

 

 

今回見学した2園はどちらも大和屋(株)施工の物件ではありませんでしたが、縁あって園舎の見学をさせていただきました。木がこども達に与える影響は絶大です。「木のぬくもりをこども達へ」をスローガンに掲げている私たちも木造園舎がもっと増えてほしいと考えています。

どちらもそれぞれの魅力があり、とても素晴らしい園舎です。 ご参加いただいた法人の皆様の今後のご参考になれば幸いです。

 

 

大和屋(株)では、来年以降もイベントやセミナーなどを計画しています。 詳細が決まりしだい、ホームページにてお知らせいたします。 

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